既に3回の分蜂を終えたTBH観察巣箱の巣門前がいつまでも騒々しい。この群は
4月初めの強風で巣箱が倒壊し、巣板のおよそ半分を失った群。これ以上分蜂すると群としての勢力が弱ってしまうのでは、と王台を除去し今後の分蜂をストップすることにした。
巣板に残された王台の数は計12個とかなり多い。その全てを切り取って観察してみると、. . .
- グループA:
新女王が誕生したと思わせる王台(4個、右列青線内)
- グループB:
新女王が誕生する直前に刺殺されたのではと疑われる王台(2個、中央緑線内)
- グループC:
新女王が誕生した形跡も暗殺の痕跡もみられない蓋がけされた王台(6個、左列赤線内)
総計12個という王台の数の多さにも驚いたが、特にグループCの王台をどう理解すべきかと困惑している。もし、通常の内検で右写真のような王台に接すると、「先端部の色づき具合からすると後数日で新女王が誕生するだろう」と結論付けてしまいそうな外観。しかし、それぞれの王台を背面から注意深く開いて見ると中は空っぽ。そこには卵や幼虫の死骸らしい形跡が見つからない。
これまで王台を、「分蜂時期の指標」という観点からだけ見てきたが、王台の形成や機能はもっともっと複雑なのでは、という気がしてきた。もう一度一から学び直す必要がありそうだ。